無欲


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2007年06月13日(Wed)
無欲

勝海舟、高橋泥舟とともに、
幕府の三舟といわれた山岡鉄舟は
剣術の名人であっただけでなく、
書道にもすぐれていました。

それで書を頼まれると、
だれかれの区別無く
快く承諾して筆を振るうのでした。

そのため、一生の間に書いた書幅は
20万にも達すると言われています。

書を依頼した人が謝礼をすると、
鉄舟は礼を言って快く受け取り、
紙包みのまま箱の中に入れておき、
お金に困った人が鉄舟を訪ねて来ると、
事情を聞いて、包み紙の中から
お金を出して与えるのでした。

ある人が鉄舟の無欲さを見て
「先生は書をなさったお礼を
 全部人におやりになるのですか」
と尋ねると、鉄舟は
「私は字を書いてお金を稼ごうという
 気持ちはまったく無い。
 お金に困って私を訪ねてくる者に与えたい
 と思うのでもらっているのです。」
と答えました。

鉄舟の家の経済状態は、いつも困窮していました。

それにもかかわらず、
お金の無心に来る人の面倒を見ずにいられない。

そういった人柄であったからこそ、
多くの人達から慕われたのでしょう。