大幅な賃上げで働く喜びを与える


カテゴリ


[PR]



2007年06月18日(Mon)
大幅な賃上げで働く喜びを与える

T型社の成功で、フォード社が目覚しい発展を遂げた頃、
フォードが工場内を見回っていると、
工員同士が大喧嘩をしている光景に出っくわしました。

いい年をした大人が、
なぜつかみ合いの喧嘩をするのだろう。

フォードはわびしい思いにとらわれましたが、
先日の人事担当者からの報告を思い出しました。

ある熟練工の作業能率が急に落ちたので
事情を調べてみたところ、
貧しい家庭生活と関係があるというものでした。

工員たちの生活条件が悪いから、
つかみ合いの喧嘩をしたりするのだ。

一日1ドルや2ドルの賃金で、
人間らしい生活なんかできやしない。

工員たちの協力で得られた利益を
彼らにも平等に分けてやるのが本当だ。

それからフォードは重役会議を開き
工員の賃金を大幅にアップしたいと提案しました。

すると重役たちが難色を示し、
一人が皮肉たっぷりに言った。

「次は日給4ドル74セントになり、
 多分その次は5ドルになって、
 会社は倒産ということになりますかな。」

そこでフォードは切り返しました。

「5ドルか、それはいい。
 では、5ドルに決まった。」

こうして、22歳以上の工員の日給の最低が5ドル、
22歳以下でも扶養家族がある者は同額ときめ、
勤務時間をそれまでの10時間2交代制を
8時間2交代制としました。

その効果が大きく表れました。

工員たちは働くことに喜びを見出し、
能率が驚くほど上がりました。

これは20世紀初期の出来事ですが、
自ら労働者の賃金アップを心がけたフォードの発想は、
国境を越えて、その後の労働者の待遇改善のモデルとなりました。

企業利益が膨らんでも、従業員へ還元しようとも思わない
今日の経営者とは大きな違いですね。