クリスマスキャロル


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2006年12月19日(Tue)
クリスマスキャロル

それはクリスマスイブの夜の出来事でした。

大金持ちのスクルージーおじさんは
「クリスマス、なんだそんなもの、くだらない」
そう言って、大きな家に住みながら、
一人でスープを飲んで、
さっさとベッドにもぐりこみました。

しばらくすると、ベッドの横に、
鎖を手足に巻きつけた姿で
数年前に死んだ友人が立っていました。

「おい、スクルージ、おまえもこんな風になるぞ」
そう言うと、姿を消してしまいました。

なんだ今のは? 夢か・・・そう言うと、
また眠り始めました。

「スクルージー・・・スクルージー・・・」
誰かが、呼んでいます。

何だ何だ、真夜中に・・・

目を開けると、全身を黒いマントで覆い、
目だけが光っている者が
ベッドのそばに立っています。

ダダ誰だ!お前は!

私は死神だ・・・
これから面白いものを見せてあげよう・・・
私にしっかりしがみついているんだよ。

そういうと、スクルージーを抱きかかえて
窓から飛び出し、町にやってきました。

人々が話し合っています。

あのけちで頑固なスクルージーが死んだそうだよ。
いい気味だ、町の厄介者だったからな。ハハハ!!!

何言ってるんだ、俺は生きてるよ。

そう言ったものの、誰にも聞こえないようです。

次のところへ行こう。

そう言って、死神はスクルージーを連れて再び町の上空を飛び、
しばらくして一軒の家の窓を覗かせました。

家の中では、家族そろってクリスマスディナーを
始めようとしていたところでした。

あ、あれは安月給でこき使っている甥子のジョンではないか。
子供が5人もいる・・・。
娘さんの足が悪いんだ・・・。

さーこれから、みんなで食事だよ。
お父さんが、七面鳥を取り分けるからね。
小さな七面鳥だけど、
神様に感謝していただきましょう。

死神は言いました。
家族っていいものだろう?
さて、最後の場所に案内しよう。

そう言うと静かな人気のない森の中にやってきました。
死神の姿はいつの間にか消え去り、
スクルージーだけが一人ぽつんと立っていました。

いったいここはどこなんだ・・・

少しはなれたところに、何かが見えたので
近づいていきました。

墓地じゃないか・・・

ひとつのみすぼらしい墓石にたどり着きました。
いったい誰の墓なのだろう・・・
表面を覆っている雪を手で払いのけました。

そこには「スクルージー」と刻まれていました。

私の墓・・・嫌だ!嫌だ!死にたくない!

大声で叫んだところで、ぱっと目が覚めました。

大急ぎでベッドから飛び起きると、
窓のカーテンを開けました。

朝だ!

窓を開けると、一人の少年が通りかかりました。

おいおい、今日は何日だ!

クリスマスだよ!

そうかそうか、すまないけど、使いに行ってくれないか。
お礼は弾むよ。
マーケットに行って一番大きな七面鳥を買ってきてくれないか。
頼んだよ!

そう言うと、急いで着替え、町に出て行きました。

メリークリスマス、クリスマスおめでとう!
みんなに迷惑かけたね。
みんなの借金は帳消しにするよ!
今日はクリスマスだからね。
街角で募金している箱に、たくさんのお金を寄付しました。

それから、大きな七面鳥を持って
甥っ子の家に出かけました。

メリークリスマスおめでとう!
これはプレゼントだよ。
そう言うと、一抱えもある大きな七面鳥を手渡しました。
それから、いままで安月給でこき使って悪かった。
あすから給料を3倍にしよう!

スクルージーおじさんありがとう。
さあ、さあ、家の中にはいって、
一緒にクリスマスの食事をしましょう。

いいのかい・・・ありがとう。
家族そろってのクリスマスっていいね。

その日から、
嫌われ者のスクルージーは
町のみんなから愛されるスクルージーおじさんになったとさ。