自己犠牲の愛


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2006年12月20日(Wed)
自己犠牲の愛

シベリアの収容所を脱走した二人の男が
真冬の吹雪の中を、大平原でさまよっていた。

いったいどっちの方へ行けば民家があるのだろう・・・。

このままでは追っ手に捕まってしまうか
凍え死ぬだけだぞ。

しばらく進むと、一人の男が倒れていた。

死んではいない、まだ生きているぞ。
一緒に連れて行こうよ。

よせよせ、放っておけ!

この吹雪ではどうせ助からない、
それに、足手まといになるだけだ!

そう言い残して、
最初の男はさっさと先に行ってしまいました。

そして、その男の姿は
吹雪で見えなくなってしまいました。

後に残された男は、
倒れた男を自分の背中に背負いました。

その重みで早く歩くことができません。

しかし、見捨てていくわけには行かない。

重い足取りで、一歩一歩、先に進んで行きました。

しばらくすると、誰かが倒れています。

すでに冷たくなっていて息をしていませんでした。
それは先に行ったはずの、あの男でした。

それから背中に最初の男を背負ったまま、
何時間歩いただろうか・・・。

はるか向こうにやっと小さな灯りが見えました。

あ!人家だ、助かるぞ!

大急ぎで歩き始めました。

そして、やっと人家の入り口にたどり着きました。

すみません、道に迷ったんです。
中に入れてください。

おやおや、こんな吹雪の中を大変だったね。
さあさあ、中にお入り。
家は暖かいし、熱いお風呂もあるよ。
今ちょうど温かいスープが出来上がったところなんだよ。
家族みんなで晩御飯を食べようとしていたところなのさ。
一緒に食べよう。体が暖まるよ。

今夜はゆっくり泊まっていくと良いよ。

こうして、吹雪の中で倒れていた人を見捨てて、
先に行ってしまった男は吹雪の中で凍え死んでしまいましたが、
背中に担がれていた男性と担いだ男性の場合は
体温で互いに温めあうこができたので、
共に九死に一生を得ることができたのでした。